浸炭
金属の表面のみを硬化させ、内部は柔軟な構造を持たせることができる。 従って耐摩耗性と靭性を両立させることが可能である。 また浸炭後の後処理によって表面層と内部の間に応力が生じ、 これが割れに対する抵抗性を与える。主に重機や機械部品などに行われる。 なお、浸炭を行った後の処理として、焼入れ・焼戻しが必要である。この際、 処理に伴って発生したオーステナイト組織が存在していると変形・耐摩耗性の低下が発生し有害であるため、 深冷処理などによってオーステナイト組織をマルテンサイト組織に変化させる必要がある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/07/11 12:21 UTC 版)
焼入れ
鋼をオーステナイト組織の状態に加熱した後、水中または油中で急冷することによって、 マルテンサイト組織の状態に変化させる熱処理である。冷媒により、水焼入れや油焼入れの呼称がある。 日本刀を鍛える際に用いられる手段でもある(日本語名詞「刃(やいば)」の語源は、ヤキハ(焼入れをした刃)である)。 炭素量が0.3%以上でないと、焼入れ効果は期待できない。 焼入れは加工との順序に応じて全体焼入れと部分焼入れに区分される。 全体焼き入れは加工前の材料全体に対して均一に行う物で、焼入れ後にもタガネやヤスリをはじめ 機械加工が出来る程度の硬度が与えられる。部分焼入れはこれとは逆に、 殆ど完成形態まで加工された部材に対して一部または表面のみに実施するもので、 製造工程上それ以上切削が行われない前提で最大限の硬度を与える目的で行われる為、 部分焼入れが行われた部材に対しては焼きなましなどの熱処理を行わない限り後加工を行うことが難しい場合が多い。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/03/09 15:57 UTC 版)
焼き戻し
焼入れによって硬化した鋼に靭性を与える目的で行われる熱処理で、 マルテンサイト組織の状態から鋼を再加熱し、一定時間保持した後に徐冷する作業をいう。 再加熱後、保持する温度により組織の変化が異なり、摂氏600度程度で焼き戻すとソルバイト組織が、 摂氏400度程度で焼き戻すとトルースタイト組織が得られる。 焼入れ後、ソルバイト組織が出る温度で焼き戻す一連の工程を特に調質と言う。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/01/06 13:12 UTC 版)
焼なまし
加工硬化による内部のひずみを取り除き、組織を軟化させ、 展延性を向上させる熱処理である。鋼をオーステナイト組織の状態で十分保持した後、炉中で徐冷する。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/07/04 20:44 UTC 版)
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